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大手M&A仲介会社ランキングTOP5!選び方・手数料まで徹底解説

大手M&A仲介会社ランキングTOP5!選び方・手数料まで徹底解説

大手M&A仲介会社は実績とネットワークを持ち、複雑な案件にも対応できるため、多くの経営者にとって有力な選択肢となります。自社に最適なパートナー探しのため、まずは各社の特徴を理解し、比較検討を始めてみましょう。

「M&Aを検討しているものの、どの仲介会社に相談すれば良いかわからない」「大手M&A仲介会社は信頼できそうだが、手数料が高そう」と不安を抱えていませんか?
M&Aの成否は、どの仲介会社と組むかで大きく左右されます。

大手M&A仲介会社は実績とネットワークを持ち、複雑な案件にも対応できるため、多くの経営者にとって有力な選択肢となります。ただし、各社には異なる特徴や強みがあるため、自社に合った最適な一社を見極めることが重要です。

この記事では、売上高に基づく大手M&A仲介会社ランキングTOP5に加え、各社の特徴、手数料、自社に合った選び方まで徹底解説します。また、成功事例やよくある質問、業界の将来性も紹介します。
最後まで読み進めることで、大手M&A仲介会社に関する理解が深まり、自社に最適なパートナーを見つける第一歩となるでしょう。まずは各社の特徴を理解し、比較検討を始めてみましょう。

M&Aとは?基本知識から種類やメリット、成功のポイントなどを解説
手法
M&Aとは?基本知識から種類やメリット、成功のポイントなどを解説

今後の成長戦略や事業承継の手段として、M&Aを選択する企業が増えています。売り手・買い手には、どのようなメリットがもたらされるのでしょうか?実際のM&A事例を挙げながら、M&Aの種類や成功のポイントを解説します。

大手M&A仲介会社とは?

M&A仲介会社の中でも「大手」は、成約実績の豊富さや売上規模、広範なネットワークを兼ね備えた、業界を代表する企業を指します。これらの企業は、M&A市場で中心的な役割を果たし、業界をリードする存在です。

大手M&A仲介会社が選ばれるのは、圧倒的な情報力と高い信頼性があるからです。
長年の経験で培われた独自のネットワークを通じて、中小の仲介会社では難しい、理想的なマッチングが期待できます。また、法務・税務・財務の専門家が社内に揃っており、複雑なM&Aも一貫して対応できる点も、大手の強みです。

主要なサービスとしては、売却・買収に関する助言を中心に、相手探し、企業価値の評価、交渉支援、調査(デューデリジェンス)、契約後の統合(PMI)まで、M&Aの全過程を幅広くサポートしています。

M&AでFAを起用する場面とは。対象の案件や業務内容を解説
用語説明
M&AでFAを起用する場面とは。対象の案件や業務内容を解説

M&AにおけるFA(ファイナンシャルアドバイザー)は、経営陣の意思決定をサポートする補佐役です。高い専門性と交渉力、戦略立案力を持ち合わせており、複雑なM&Aのプロセスをサポートします。FAの必要性や業務内容について理解を深めましょう。

M&Aのアドバイザリー契約とは。流れや種類、注意点を解説
用語説明
M&Aのアドバイザリー契約とは。流れや種類、注意点を解説

M&Aのアドバイザリー契約は業務委託契約の一種です。契約の締結後は、仲介会社やアドバイザリー会社から、M&Aの成約に向けたさまざまなサポートが受けられます。専任契約と非専任契約の違いや、契約書に盛り込まれる禁止条項などを解説します。

大手M&A企業の売上高ランキングTOP5|特徴と評判を解説

M&A仲介業界をリードする大手企業は、それぞれ異なる強みと戦略があります。ここでは、各社のIR資料などを基にした最新の売上高ランキングTOP5を紹介し、事業内容や評判を詳しく解説します。

会社名 売上高(2024年3月期など) 時価総額(2025年7月時点目安) 従業員数 上場 設立年
① 株式会社日本M&Aセンター 441億円(※連結) 約3,500億円 1,123名(連結) プライム 1991年
② M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 252億円 約1,600億円 239名 プライム 2005年
③ 株式会社ストライク 163億円 約800億円 286名 プライム 1997年
④ 株式会社M&A総研ホールディングス 111億円 約1,500億円 250名 プライム 2018年
⑤ 株式会社fundbook 約58億円 非公開 約300名 非上場 2017年

※各社の直近通期決算(主に2024年3月期・9月期)や公開情報を参考に記載。時価総額・従業員数は概算値。

このセクションでは、上記ランキングに名を連ねる各社の詳細な特徴、提供サービス、そして業界内での評判について深掘りしていきます。

① 株式会社 日本M&Aセンター

株式会社日本M&Aセンターは、業界のパイオニアとして最大手企業として圧倒的な実績を持つ企業です。1991年の設立以来、累計8,500件以上(2024年3月末時点)という国内No.1の成約件数を誇り、その信頼性は揺るぎないものとなっています。

同社は、全国の地方銀行の約9割、信用金庫の約8割、約4,100の会計事務所と提携し、広範なネットワークを構築しています。このネットワークを駆使し、都市部だけでなく地方の中小企業のM&A案件にも強みを発揮します。また、製造業や医療など、業種ごとの専門チームが対応し、業種特有の課題にも柔軟に対応できる体制です。

サービス面では、中堅・中小企業の事業承継M&Aを主軸としながらも、クロスボーダーM&Aや上場支援、PMI支援など、多岐にわたるサービスを展開しています。業績も安定して成長を続けており、業界のリーディングカンパニーとして、その地位を確固たるものにしています。

② M&Aキャピタルパートナーズ株式会社

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社は、「着手金無料の完全成功報酬制」を業界でいち早く導入したことで知られる大手仲介会社です。売り手側の費用負担が少ない料金体系により、多くの経営者から信頼されています。

同社の特徴は、専門性の高いコンサルタントによる質の高いサービス提供にあります。公認会計士や税理士、金融機関出身者など、M&Aに関する高度な専門知識を持つ人材が多数在籍しており、特に中堅・中小企業の事業承継案件で豊富な実績を持っています。また、譲渡企業と譲受企業の双方に専任のコンサルタントが付く「両手型」でありながら、双方の利益を最大化するための丁寧な交渉・調整力に定評があります。

近年では、医療・介護業界やIT業界など、特定の業種に特化した専門チームを強化しており、専門領域におけるマッチング精度をさらに高めています。高い成約率と顧客満足度を強みに、業界内で確固たる地位を築いている企業です。

③ 株式会社ストライク

株式会社ストライクは、公認会計士主導で設立されたM&A仲介会社で、専門性と信頼性に定評があります。1997年の設立以来、着実な成長を遂げ、業界の主要プレイヤーの一角を占めています。

同社の強みは、独自運営のM&Aマッチングサイト「SMART」にあります。これにより、独自のネットワークに加えて、オンライン上でも広く譲渡案件・買収ニーズを募ることができ、迅速かつ効率的なマッチングを可能にしています。また、公認会計士や税理士などの専門家ネットワークも強固で、財務や税務に関する複雑な課題にも対応できる体制です。

事業承継だけでなく、ベンチャー支援にも力を入れており、幅広いニーズに対応可能です。堅実な経営と先進的な取り組みを両立させることで、多くの企業から厚い信頼を得ています。

④ 株式会社M&A総研ホールディングス

株式会社M&A総研ホールディングスは、2018年設立という新しい企業ながら、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した効率的なM&A支援で急成長を遂げている注目企業です。創業からわずか3年半で上場し、業界内で注目を集めました。

同社の最大の特徴は、AIを活用した独自のプラットフォームによる高いマッチング精度と、徹底的に効率化された業務プロセスによるスピード感です。一般的に半年~1年以上かかるM&Aも、最短3ヶ月での成約実績があります。また、M&A経験豊富なコンサルタントが多数在籍しており、DXと人的サポートを組み合わせたハイブリッド型の支援サービスを提供しています。

料金体系は着手金・中間金が無料の完全成功報酬制を採用しており、顧客にとって利用しやすい点も魅力です。新興勢力ながら、その革新的なアプローチで業界に新たな風を吹き込んでおり、今後の動向が最も注目される企業の一つです。

⑤ 株式会社fundbook

株式会社fundbookは、アドバイザーとプラットフォームを組み合わせた「ハイブリッド型M&A」を展開しています。2017年の設立以来、業界に新しい選択肢を提供し、急速に存在感を高めています。

同社の強みは、経験豊富なアドバイザーによる質の高いサポートと、約4,000社(2023年時点)の譲受企業が登録する自社プラットフォームを組み合わせている点にあります。これにより、専門家の知見とITの利便性を組み合わせ、最適な相手先を探すことが可能です。他社では難しいニッチな案件にも対応できる柔軟さがあります。

また、着手金無料の料金体系を採用しているほか、自社運営の情報サイト「M&A DOORS」でM&Aの知識も発信しており、顧客への情報提供にも積極的です。情報の透明性と革新性が評価され、多くの経営者から選ばれています。

大手M&A仲介会社の選び方・比較のポイント

自社にとって最適な大手M&A仲介会社を選ぶためには、いくつかの重要な比較ポイントがあります。ランキングや知名度だけでなく、自社の状況やニーズにあったかたちで多面的に検討することが重要です。

ここでは、仲介会社選びで特に重視すべき「実績と信頼性」「専門性と対応領域」「料金と手数料体系」、そして「担当アドバイザー」という4つの観点から、具体的な比較のポイントを解説します。

実績と信頼性

M&A仲介会社選びでは、まず「実績」と「信頼性」が基本かつ重要な指標です。
会社の未来を左右する重要な決断だからこそ、安心して任せられるパートナーを選ぶ必要があります。

まず確認すべきは、M&Aの「成約件数」です。累計や成約件数は、成功事例の多さを示す客観的な指標となります。実績が豊富な会社は、それだけ多くのノウハウや交渉術を蓄積していると言えるでしょう。

また、「上場企業であるか」も信頼性を測る一つの基準です。上場企業は、厳しい審査基準をクリアし、経営の透明性やコンプライアンス遵守の体制が整っているため、一般的に信頼性が高いと評価されます。
顧客の口コミは、公式サイトではわからない実情を知る手がかりとなります。

専門性と対応領域

大手仲介会社は総合的にサービスを提供していますが、それぞれに得意な業種や業界、得意な企業規模が存在します。
自社の事業内容や規模に合った専門性を持つ会社を選ぶことで、より質の高いサポートが期待できます。

例えば、製造業に強い会社、IT・ベンチャー業界に精通している会社、医療・介護分野に特化したチームを持つ会社など、各社の強みは様々です。業界の商慣習やモデルを理解していれば、より適切な評価と、条件でのマッチングが可能になります。

また、対応可能な企業規模(売上高や従業員数)も確認が必要です。
中小企業の事業承継を得意とする会社もあれば、比較的大規模な案件やクロスボーダーM&Aに強みを持つ会社もあります。さらに、全国対応が可能か、特定の地方案件に強いネットワークを持っているかなども、自社の所在地や希望に応じて確認すべき重要なポイントです。

担当アドバイザーの専門性や経験

最終的にM&Aのプロセスを二人三脚で進めていくのは、現場の担当アドバイザーです。企業の評価や評判が良くても、担当者との相性が悪ければ、交渉はスムーズに進みません。
無料相談などの機会を活用し、担当者の人柄やコミュニケーションのスタイルが自社に合うかも確認しましょう。
また、担当者個人の経験や専門性も確認しましょう。自社の業界に関する知識は豊富か、過去に類似の案件を手がけた経験はあるかなどを質問することで、その実力を測ることができます。

さらに、担当者だけでなく、法務・税務などの専門家がいるチーム体制かどうかも重要です。
M&Aは多岐にわたる専門知識を要するため、組織的なバックアップ体制は心強い味方となります。成約後のPMI(経営統合)支援の有無も、M&Aを真の成功に導くためには欠かせない要素です。

料金と手数料体系

M&A仲介を依頼する際の費用は、経営者にとって大きな関心事です。料金体系は会社によって大きく異なるため、契約前に必ず詳細を確認し、納得した上で依頼することが不可欠です。

料金体系は、「完全成功報酬型」「着手金・中間金が発生する型」に分けられます。
完全成功報酬制は、M&Aが成約するまで費用が発生しないため、売り手企業のリスクが低いというメリットがあります。
一方、着手金や中間金が必要な会社は、その分、案件の初期段階から手厚いサポートを受けられる場合があります。

成功報酬の多くは「レーマン方式」で計算されます。料率や対象金額(株式価値か移動総資産か)は会社によって異なります。また、最低手数料が設定されている場合がほとんどなので、その金額も必ず確認しましょう。
相談料の有無や、費用のわかりやすさや透明性も、信頼性の判断基準になります。

M&Aアドバイザリーの見極め方。活用する方法、注意点も
用語説明
M&Aアドバイザリーの見極め方。活用する方法、注意点も

M&Aアドバイザーは、の一連の流れをフルサポートしてくれる頼もしい存在です。アドバイザーを選ぶ際は、業態や報酬体系のほかにどのような点をチェックすればよいのでしょうか?見極め方のポイントや注意点を解説します。

M&Aに関する業務と資格の関係。さまざまな専門家を上手に活用
用語説明
M&Aに関する業務と資格の関係。さまざまな専門家を上手に活用

M&Aでは、M&Aアドバイザーをはじめ、多くの専門家に実務面のサポートを求めるのが一般的です。専門家に依頼する際、業務に関連する資格の有無は確認すべきなのでしょうか?優秀なアドバイザーを見分けるコツや各段階における専門家の活用例を紹介します。

大手M&A仲介会社に関するよくある質問

M&Aを検討する経営者の方から寄せられる、大手仲介会社に関する代表的な質問とその回答をまとめました。

大手仲介会社選びで迷ったときの判断基準は?

複数の大手仲介会社が候補に挙がり、一社に絞りきれない場合は、まず各社の「無料相談」を積極的に活用することをお勧めします。担当者と直接会うことで、会社の雰囲気や提案内容、相性を確認できます。

その上で、各社から提示される企業価値評価の概算や、想定されるM&Aの進め方などを比較検討しましょう。一社だけに頼らず、複数の専門家の意見を聞くことで、より納得のいく判断ができます。
最終的には、最も信頼でき、自社の未来を託したいと思えるパートナーを選ぶことが重要です。

大手と中小で手数料体系・サポートの違いは?

一般的に、大手仲介会社は最低手数料が高めに設定されている傾向がありますが、その分、法務・税務などの専門家を多数抱え、包括的で手厚いサポート体制を整えています。
一方、中小の仲介会社は、より柔軟な料金体系や、特定の業種・地域に特化したきめ細やかな対応を強みとすることがあります。

比較する際は、 手数料の金額だけでなく、サービスの範囲を具体的に確認しましょう。
例えば、調査支援や契約書作が料金に含まれているか、PMI支援が別途料金かも確認しましょう。
自社がどこまでのサポートを必要としているかを考え、コストとサービスのバランスが最も良い会社を選ぶことが賢明です。

初めてM&Aを検討する場合の基本的な進め方は?

初めてM&Aを検討する場合、どこから始めるべきか悩む方も多いでしょう。失敗しないための基本的な進め方は以下の通りです。

  1. 目的の明確化: 後継者問題や成長戦略など、目的を具体化します。
  2. 情報収集と準備: 自社の強みや課題を整理し、決算書などの必要書類を準備します。
  3. 仲介会社の選定・相談:複数の仲介会社に無料相談し、信頼できるパートナーを選びます。
  4. 秘密保持契約・アドバイザリー契約の締結:選んだ会社と契約を結び、本格的にプロセスを開始します。
  5. 企業価値評価・資料作成: 専門家による企業価値の算定と、買い手候補に提示する資料の作成が行われます。
  6. マッチング・交渉:買い手候補との面談、条件交渉を進めます。
  7. 基本合意の締結:トップ面談などを経て、基本的な条件で合意します。
  8. デューデリジェンス: 買い手側が、売り手企業の財務や法務などを詳細に調査します。
  9. 最終契約の締結・決済:最終的な条件を詰めて契約を締結し、株式や事業の譲渡と代金の決済を行います。

このプロセスを、信頼できる仲介会社と二人三脚で進めることが成功への近道です。

M&AにおけるDDとは何か?買収監査の手順、種類、注意点を解説
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M&AにおけるDDとは何か?買収監査の手順、種類、注意点を解説

『DD』とは、M&Aにおける買収監査を指します。買い手は最終決定を下す前に、買収対象会社が重大なリスクや問題を抱えていないかを調査する必要があるでしょう。DDの手順や、問題が発覚した際の対処法についても解説します。

デュー・デリジェンスでM&Aのリスク回避。かかる費用や期間など
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デュー・デリジェンスでM&Aのリスク回避。かかる費用や期間など

M&Aの最終合意に至る上で、デュー・デリジェンス(DD)は欠かすことのできない重要なプロセスです。資金に限りのある中小企業や個人事業主は、何をどのように実行すればよいのでしょうか?DDの種類や費用、期間について理解を深めましょう。

財務デュー・デリジェンスの調査内容や必要性とは。主な二つの役割
手法
財務デュー・デリジェンスの調査内容や必要性とは。主な二つの役割

財務デュー・デリジェンスとは、買い手が対象企業の財務状況や資金繰りを調査することです。最終契約の締結前に行われるのが一般的で、簿外債務などの財務リスクを洗い出します。財務デュー・デリジェンスの意義や調査内容について解説します。

M&A大手仲介会社の将来展望

国内のM&A市場は、事業承継ニーズの高まりや業界再編の活発化を背景に、今後も拡大が続くと予測されています。成長市場において、大手仲介会社は次の成長に向けた取り組みを進めています。

ここでは、業界が直面するトレンドや課題、そして大手企業が打ち出す新しいサービスの動向について解説します。

業界の成長トレンドと課題

M&A市場の拡大に伴い、業界内の競争は激化しています。特に、優秀なM&Aアドバイザーの獲得競争は激化しており、人材の確保と育成が各社の重要な経営課題となっています。

また、M&Aプロセスの効率化と高度化を目指すDX(デジタルトランスフォーメーション)の波は、この業界にも押し寄せています。AIによるマッチング精度の向上や、データを使った企業価値の正確な評価など、テクノロジーの活用が競争力の鍵となるでしょう。

さらに、従来の事業承継だけでなく、スタートアップのEXIT戦略や、企業の成長戦略としてのカーブアウト(事業切り出し)など、M&Aの目的や対象が多様化しています。これらの新しいサービス領域にいかに対応していくかも、大手仲介会社にとっての挑戦です。

大手が展開する新しいサービス事例

こうした変化に対応するため、大手M&A仲介会社は次々と新しいサービスを打ち出しています。

例えば、AIとビッグデータを活用したマッチングプラットフォームを自社開発し、従来のアドバイザーの経験と勘に加えて、客観的なデータに基づいた最適な相手先を提案する取り組みが進んでいます。これにより、マッチングの精度とスピードが飛躍的に向上しています。

また、国内市場だけでなく、海外企業とのクロスボーダーM&Aを支援する体制も強化されています。海外の現地法人や提携先とのネットワークを活かし、日本企業の海外進出や、海外企業による日本企業の買収をサポートする事例も増えています。
さらに、単なるM&Aの仲介に留まらず、事業承継に関する総合的なコンサルティングや、承継後の資産運用に関するアドバイスなど、サービスの多角化も進んでいます。

【番外編】大手M&A仲介会社の年収・待遇情報

M&A仲介業界は、企業の経営者だけでなく、高い専門性を求めるビジネスパーソンからも熱い視線が注がれています。
ここでは番外編として、大手M&A仲介会社の年収やキャリアについて解説します。

大手5社の平均年収データ(2025年最新版)

M&A仲介業界は、実績がそのまま報酬に反映されやすい実力主義の業界で、国内でもトップクラスの高年収が期待できることで知られています。

会社名 平均年収
(推定)
① 株式会社日本M&Aセンター 約1,114万円
② M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 約2,278万円
③ 株式会社ストライク 約1,600万円
④ 株式会社M&A総研ホールディングス 約2,000万円
⑤ 株式会社fundbook 約1,466万円

※出典: 各社有価証券報告書や採用情報、各種メディアの公開情報などを基に記載。

特にM&Aキャピタルパートナーズの平均年収の高さは群を抜いていますが、これは少数精鋭のプロフェッショナル集団であることの表れです。多くの企業で、基本給に加えて成約案件に応じたインセンティブ(報奨金)が支給されるため、20代で年収数千万円を得ることも珍しくありません。

評価制度とキャリアパスの仕組み

大手M&A仲介会社の評価制度は、成果主義の色が非常に濃いのが特徴です。成約件数や取引額などの実績をもとに評価され、それがインセンティブとして直接報酬に反映されます。
この厳しいながらも公正な評価制度が、多くのプロフェッショナルを引きつける魅力となっています。

キャリアパスとしては、まずアソシエイトとして経験を積み、シニアアソシエイト、マネージャーへと昇進していくのが一般的です。実績を積めば、チームを率いるリーダーや、特定の業界・分野を専門とするエキスパートとしての道も開かれます。
経営の中核に関わる経験は、将来的に独立や経営幹部を目指すうえで大きな強みとなるでしょう。

採用動向と求められる人材像

M&A市場の拡大に伴い、大手各社は積極的に採用活動を行っています。中途採用が中心ですが、近年では新卒採用に力を入れる企業も増えています。

求められる人材像は、金融機関(銀行、証券)、コンサルティングファーム、会計事務所などでの実務経験を持つ人材が即戦力として期待されることが多いです。
しかし、業界未経験者であっても、高い営業力、論理的思考力、そして何よりも企業の経営者に寄り添い、その未来を真剣に考えることができる強い責任感と情熱があれば、門戸は開かれています。社会的意義の大きい仕事に挑戦したいという意欲のある人材が求められています。

まとめ

本記事では、大手M&A仲介会社に焦点を当て、売上高ランキングTOP5の企業紹介から、自社に最適な一社を選ぶための比較ポイント、料金体系、さらには業界の将来性までを網羅的に解説しました。

M&Aは企業の将来を左右する重要な判断です。その成否は、信頼できるM&A仲介会社と出会えるかどうかにかかっています。大手仲介会社は、その豊富な実績、広範なネットワーク、そして各分野の専門家による手厚いサポート体制により、複雑で困難なM&Aを成功に導くための強力な推進力となるでしょう。

しかし、単に「大手だから」という理由で選ぶのではなく、各社の強みや専門性、料金体系を深く理解し、自社の業種、規模、そしてM&Aの目的に最も合致する会社を慎重に見極めることが不可欠です。
まずは、複数の会社に無料相談し、最初の一歩を踏み出してみましょう。それが、自社の輝かしい未来を切り拓くための重要な第一歩となるはずです。

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